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『入門 監視』を読んだので感想をまとめてみる

投稿日: 2024年2月18日 更新日: 2024年2月18日

カテゴリ: 読書メモ

概要

入門 監視―モダンなモニタリングのためのデザインパターンを読んだので、感想をまとめてみます。

目次

前置き

どんな本か

良い監視とは何か、どうすれば良い監視を実現することができるのかコンパクトにまとめています。

なぜ読んだか

ここ最近、監視に触れる機会が多くなってきました。具体的には、既存のアラートを受けてCPU利用率やログなどから原因を調べたり、ときには新しく監視の仕組みをつくったりしています。

探りながら手を動かしてみることでなんとなく、こういうことが起きたらアラートを通知すれば良さそう、みたいな雰囲気は掴めている気がしていました。

しかし、現状の監視やアラートの仕組みが十分であるか、検討できるだけの知識や経験が足りていないようにも思っていました。

つまり、既にある枠組みの中でしか思考できておらず、監視についての理解が浅いのではないかと感じました。

そんなときに良さそうなタイトルの本を見つけたので、さらっと読んでみることにしました。

本の構成

最初の4章までは要素によらない監視そのものについての著者の考え方を広く紹介しています。

以降は章のタイトルの通り、それぞれの範囲についてどうやって監視するのが良さそうか議論することで、監視について更に掘り下げる構成です。

良かったところ

監視の仕組みを改善するために何を考えるのが良さそうか、たくさんのヒントをくれる

最初の4章はとくに面白かったです。

アンチパターンを見ることで、身近な監視の仕組みに何か問題があるか視野を広げ、そこからどう改善すれば良いか具体例を見せてくれます。

統計にも踏み込むことで、指標を監視するということの解像度をグッと上げてくれます。

例えばAWSが提供しているCloudWatchは統計的な指標に基づいてアラートを発火させることができます。

参考

本を読む前はとりあえずエラーが起きたら通知すれば良いから、ほかの指標はあんまり関係無さそうぐらいに考えていました。

しかし、この本を読むことでなぜ統計的な指標が監視において重要なのか少しだけ見えてきたように感じました。

とはいえまだまだ経験不足なので、色々経験しながら統計的な指標のありがたみをもっと感じていきたいです。

ページ数が少ないのでサクッと読める

濃密な内容と重厚な章立てから分厚い本の雰囲気を感じますが、本のページ数は228と、とても短くまとまっています。

興味のあるところをつまんでいけば、休日1日ぐらいで読めてしまいます。

すぐに読み終わるにも関わらず、監視に関するたくさんの考えのヒントを提供してくれています。

読み方

どう読むか

とりあえず4章まで読んでみるだけでも、参考になる考え方に触れられると思います。以降の章は興味のあるテーマをつまみ食いしながら、監視の知識を掘り下げていくと良さそうです。

ただ、短いページ数ながら文章がびっしり詰まっています。加えて、節によってはオンコール対応のあとにどういう報酬を用意するべきかなど、あまり関わりの無いテーマもあったりします。

重要な知識を集中して確実に理解できるよう、興味のある章・節をつまみ食いしながら読むと良さそうです。

面白そうなところを追ってみるだけでも、監視についての知識が深まるはずです。

いつ読むか

アラートを受けて問題を調べたり、アラートを自分で設定するような経験があったら、得られるものがたくさんあると思います。

タイトルに入門とある通り、監視に触れ始めたぐらいの段階でも積極的に読んでいきたいです。

感想

少ないページ数ながら、監視を取り巻く面白い情報や考え方がまとまっていて楽しく読めました。

まだまだ監視には入門したてなので、個別のトピックや監視そのものについて試行錯誤しながらさらに理解を深めていきたいです。


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